少額ご予算のインターネット広告ならリードプラスへお任せ下さい

事業ポートフォリオとは?作り方や最適化のポイントを詳しく解説

昨今、多くの企業から事業ポートフォリオの作成が注目されています。しかし、このポートフォリオのことを詳しく理解していない人も多いでしょう。

そこでこの記事では、事業ポートフォリオの概要や日本での現状、具体的な作成方法について紹介しています。実際に事業ポートフォリオの作成に利用するフレームワークの紹介や分析事例、最適化のポイントも紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

事業ポートフォリオとは会社の事業一覧のこと

事業ポートフォリオとは?作り方や最適化のポイントを詳しく解説01

事業ポートフォリオとは、企業が展開している事業を一覧にして整理した資料のことです。金融業界でよく用いられる、金融資産の組み合わせ内容を指す「金融ポートフォリオ」や商品の魅力や分析に利用する「商品ポートフォリオ」とは異なり、主に事業における次の項目がまとめられています。

  • 収益性:どれくらい利益を生み出したかを示す項目
  • 成長性:自社の市場シェアや売上高成長率など内部資源による成長を示す項目
  • 安全性:リスクを示す項目

これらの項目は事業をまとめたり言語化できたりするほかにも今後の事業計画の指標づくりに利用できます。また、自社分析だけではなく競合他社とのギャップ抽出や経営資源の活用など、事業の動きを俯瞰的な立場で検討するときにも活用可能です。

事業ポートフォリオとM&Aの関係

  
事業ポートフォリオは、企業合併や事業継承を行う「M&A」によく活用される資料です。事業ポートフォリオがあればM&Aを効率的に進めることができ、スピーディーな手続きが可能となります。

また、売却の予定がなくても世の中のニーズの変化や不況を受けて、売却を検討せざるを得なくなる場合もあるでしょう。このとき効率的にM&Aを利用して事業を売却しなければ、事業化価値が下がってしまう可能性もあります。

よって、事業を大きくするために事業ポートフォリオを準備しておくことはもちろん経営難に陥った場合でも、素早く対応できるように事前の備えを行っておくといいでしょう。

事業ポートフォリオは継続的な見直しが必要

事業ポートフォリオは、一度作成したら終わりではありません。作成した事業ポートフォリオは事業や世の中の変化にあわせて、継続的な見直しが必要です。

事業ポートフォリオの項目は、作成したその場の状況でしか役立ちません。経営環境の変化が激しい中で企業の在り方や目指す姿、資本力は刻々と変化していきます。

そのため、いつまでも同じ情報の事業ポートフォリオを基準としていると、現状と情報に乖離が生まれるでしょう。あらかじめ事業ポートフォリオの見直しスパンを決めて、課題解決や品質向上の計画をたてることをおすすめします。

持続的な成長を促す事業ポートフォリオマネジメント

事業ポートフォリオとは?作り方や最適化のポイントを詳しく解説02

顧客のニーズに対応するためには、事業の組み替えを戦略的に実施し成長を促す「事業ポートフォリオマネジメント」が大切です。

ここでは、事業ポートフォリオマネジメントの概要と、国内企業の事業ポートフォリオ作成が遅れている理由について解説していきます。

事業ポートフォリオマネジメントとは

事業ポートフォリオマネジメントとは、現在の経営戦略の成長性を高めるために必要な「事業の組み替え」のことです。

例えば、企業内で実施している事業が複数ある場合は、その中で企業価値を高められる事業とそうでない事業に振り分けます。各事業の将来性や価値等を勘定することで、次のような判断ができます。

  • これからも継続して事業を進めていくもの
  • 事業売却が必要なもの
  • 改善することによって状況を打破できるもの

では、なぜ事業ポートフォリオマネジメントが企業から求められるようになったのでしょうか。その答えは次の通りです。

  • 国が推奨するDX(デジタルトランスフォーメーション)が急速に進んでいる
  • 商品・サービス購買者のニーズが日々変化している

現在DXの推進により、社会構造の変化が高速化しています。また時代や流行を経て消費者ニーズも変化し続けている状況です。その影響を受け旧来から提供され続けているサービスだけでは消費者のニーズを満たせなくなっており、サービスと顧客の間にあるギャップを埋める必要性が高まっています。

このとき重要となるのが、消費者ニーズを意識したこまめなマネジメントです。事業ポートフォリオの作成・見直しを行いビジネスモデルの戦略や妥当性を考えることで、現代でも通用する芯のあるサービス提供が実施できるようになります。

事業ポートフォリオマネジメントが進まない理由

多くの企業では、事業ポートフォリオの見直しが思うように進んでいません。その理由として、次の項目が関係しています。

  • 事業ポートフォリオに関するマネジメントの仕組み・基準が十分に整備されていない
  • 経営者の意識として維持・拡大のみを目標としている
  • 国内の企業体型が年功序列に留まっておりビジネスモデルの変更が難しい

中でも、企業ポートフォリオをの基本方針が定められていないことや、企業内での観察や仕組みが充分に整っていないなどの課題が見受けられます。

また、国内企業の年功序列制が維持されていることにより、海外企業に比べてマネジメントの浸透に遅れが出ている現状もあります。

事業ポートフォリオがもたらすメリット

事業ポートフォリオとは?作り方や最適化のポイントを詳しく解説03

事業ポートフォリオは、まだマネジメントが進んでいないのが現状です。しかし、この準備は経営に多面的なメリットを生み出すことをご存じでしょうか。

この章では、事業ポートフォリオがもたらす3つのメリットを紹介していきます。

迅速な経営判断ができる

昨今はIT化やAI化を始め、技術やサービスが高度化しています。また、次のような企業活動の動きもあり、経営者は変化に対する迅速な判断を求められています。

  • 新型コロナウイルスのまん延
  • テレワークの浸透と拡大
  • 店舗販売を必要としないEC市場の拡大

働き方が変化する中、判断材料がなければ的確な経営判断ができません。事業ポートフォリオを作成しておけば、俯瞰的な立ち位置からの迅速な判断や施策の検討に役立ちます。

ビジネスチャンスを捉えやすい

事業ポートフォリオを作成し事業の内容や活動などを言語化しておけば、変化する顧客ニーズと事業のギャップをいち早く埋めることができます。近年はテクノロジーの発展に伴い、次のようなビジネスチャンスが生まれている状況です。

  • ブロックチェーン技術を使った分散型社会への対応
  • VR・ARを活用したメタバースの活用
  • 人手不足解消に欠かせないDX化

あらかじめ事業ポートフォリオを作っておけば、将来的に生まれる新たなビジネスチャンスに対し、現在の事業で対応できるか判断できます。また、ビジネスチャンスを手にするために必要なツール・システムなどの検討もしやすくなるでしょう。

金融危機を察知して事前に対策を打てる

日本企業は、幾度も金融危機を経験しています。中でも有名なのが「ITバブルの崩壊」や「リーマンショック」、新型コロナウイルスによる「コロナショック」でしょう。世界的な金融危機が起きた際には、多くの企業が経営難に陥りました。

今後も金融危機が起こる可能性はあるでしょう。事前に事業ポートフォリオを準備しておけば、金融危機に直面したときに不採算事業や事業継続の可否を判断できます。また、金融危機を察知して、事前に対策を講じることも可能となるでしょう。

事業ポートフォリオを作る際のポイント

事業ポートフォリオとは?作り方や最適化のポイントを詳しく解説04

経営活動で大きく貢献する事業ポートフォリオについて、これから作成しようと検討中の方もいるでしょう。では、どのようなことを考えて作成すればいいのでしょうか。

ここでは、3つのポイントに分けて事業ポートフォリオを作る際のポイントを紹介します。

PPMを活用して自社の現状を分析する

事業ポートフォリオを作るには、まずは事業全体のフレームワーク作成に欠かせない「PPM分析」の理解が大切です。

PPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)分析とは、事業を市場成長率と市場独占率で評価の評価を、次の4つの項目に位置づけする戦略立案対策です。PPM分析を活用することで、事業の現状や将来性を把握できます。

  市場成長率 市場独占率
花形(Star)
金の生る木(Cash Cow)
問題児(Problem Child)
負け犬(Dog)

現在の事業が事業市場成長率と市場独占率に優れる「花形」であれば同業他社と差別化ができていること、そして将来性のあるポジションを獲得できていると分析できます。

一方、両者とも劣る「負け犬」の場合は、将来性が小さく今後利益を出せる見込みが薄いでしょう。事業ポートフォリオマネジメントを実施し、売却や事業内容の再検討が必要です。

PPM分析を活用して事業の立ち位置を理解することで、事業に不足している要素やウィークポイントが判断できます。

事業ドメインを設定して自社の主力事業を決める

  
事業ポートフォリオを作るときは、あらかじめ自社の「事業ドメイン(主力事業)」を設定しておくのがいいでしょう。

事業ドメインとは企業の存続を成り立たせる経営資源であり、この事業がなければ存続が難しいであろうものを指します。主力事業が明確にできたら、主力事業を言語化し強化を図るため「CFT分析」と呼ばれるフレームワークを使って分析してください。

CFT分析は、顧客軸、機能軸、技術軸の3つのポイントから導きだす分析方法です。「誰に(顧客)何を(機能)どうやって(技術)」という考え方に基づき検討します。

CFT分析
顧客 自社のターゲット・ペルソナの設定
機能 自社のターゲット・ペルソナに提供できている価値
技術 自社のターゲット・ペルソナに価値を提供するための技術や能力

企業によっては、複数の事業を同時並行で行っている場合があります。親会社・子会社のように事業展開している内容がバラバラで、主力事業が異なることも考えられます。このような状況でも、自社が行う事業の強みは何なのか抽出可能です。

強みを探すことでどの事業に注力すべきか判断できるので、事業ポートフォリオの作成に取り入れてください。

コア・コンピタンスを抽出して自社の強みを見極める

  
自社がもつ強みとは何でしょうか。もし企業活動において中枢となる事業の強みを言語化できていないなら「コア・コンピタンス」を抽出し、強みの見極めを実施しましょう。

コア・コンピタンスとは、他社から真似されることのない核となる強みのことを表し、次に示す5つの性能から判断していきます。

  • 模倣可能性
  • 移動可能性
  • 代替可能性
  • 希少性
  • 耐久性

中でも「模倣可能性」「代替可能性」「希少性」に特化した事業であれば、他社から模倣される可能性が少ないコア・コンピタンスに該当します。コア・コンピタンスを持つ企業は独自の魅力を持つことから、金融危機などマイナスの経済の動きが起きても、耐え抜く力があると考えられます。

コア・コンピタンスを導きだすフレームワークには、「SWOT分析」があります。次に示す4つの観点から事業の特徴をつかむもので、事業の強みであるコア・コンピタンスを探し出すことが可能です。

  プラス要因 マイナス要因
内部環境
(自社が周りに影響を与えるもの)
S(強み) W(弱み)
外部環境
(周りが自社に影響を与えるもの)
O(機会) T(脅威)

SWOT分析は、他社とは違う強みを作り出す経営戦略検討にも役立てられます。各項目を検討しつつ、自社が展開する事業の強みや弱みを明確にしましょう。

PPMにおける事業ポートフォリオの事例

事業ポートフォリオとは?作り方や最適化のポイントを詳しく解説05

事業ポートフォリオの作成では複数のフレームワークが活用できますが、フレームワークによる分析が完了したら次にどのような動きが必要となるのでしょうか。

ここでは、経営戦略でよく利用するPPM分析の事業ポートフォリオ検討事例を3つ紹介します。

  市場成長率 市場独占率
花形(Star)
金の生る木(Cash Cow)
問題児(Problem Child)
負け犬(Dog)

事例1:「花形」事業がない企業

PPM分析を行った結果「金の生る木」「問題児」「負け犬」に該当する事業はあるが「花形」となる事業が見つからないケースがあります。

利益を生み出せる「金の生る木」は市場独占率が高いにも関わらず、成長性が低いため長期的な利益を生み出せない可能性があります。

いずれ経営自体が先細りしてしまう可能性があるため、早急に「花形」事業を作り出すか、成長性が高い「問題児」に投資を行い、花形事業に変化させる必要があるでしょう。

事例2:「負け犬」事業が多い企業

企業が展開する事業のほとんどが「負け犬」に分類される場合もあるでしょう。負け犬の特徴は、市場成長率と独占率ともに低いところです。短期的・将来的にも、利益を見込めない可能性があります。

改善にも莫大な投資が必要となる場合もあることから、継続よりも速やかな判断が必要です。すでに赤字が出ているような状況であればスピーディーに損切を行い、新たな事業の立ち上げに資金投資を行ってみるのもいいでしょう。

事例3:成長性が見込める事業がない企業

「金の生る木」や「負け犬」といった成長性が見込めない事業が多いのであれば、事業投資や資金めぐりに注意する必要があります。両者とも成長性が低いことから、長期的な利益が期待できないでしょう。

長寿命な経営を実現するためには、成長性のある事業を生み出して投資を続けることが大切です。中でも「負け犬」は損切対象となるので、代わりとなる事業の立ち上げの早急な検討が望まれます。

事業ポートフォリオを最適化する方法

事業ポートフォリオとは?作り方や最適化のポイントを詳しく解説06

事業ポートフォリオを作ることによって、事業展開している企業の「今」が分かります。ただ、この資料を作成したから事業が好調になるわけではありません。その後の分析や対策が重要です。

最後に、各種分析が終わった後にやるべき事業ポートフォリオの最適化の方法を紹介します。

社内を横断するコーポレート組織を設置

企業によっては部署の担当者が独自に事業ポートフォリオを作るなど経営戦略とは関係のない社員に一任し、仕事の片手間で経営戦略を練る場合があります。

経営戦略は、知見のある専門の人間が長期的な検討を行うことが大切です。蔑ろになってしまうような環境で準備をするのは望ましくありません。

効率的かつ明確な事業戦略を立てるためには、専属の「コーポレート組織」の設置を検討することがおすすめです。社内全体の事業状況を理解し各部署に対して適格なアドバイスや目標定義ができる組織があれば、無駄のない事業活動を促進できるでしょう。

トップが適切な判断を下せる環境の整備

事業ポートフォリオで導き出した事業状況を最終判断するのは、企業のトップである経営者です。 しかし、経営者は各部署の状況を詳しく把握するのが難しく、自力で情報収集したとしても、断片的、表面的な情報しか集められない可能性があります。

経営者が短時間で必要な情報を把握でき適切な判断を下せる環境を整備するために、事業別の損益を可視化できる「ダッシュボード」といったクラウドシステムの導入がおすすめです。ダッシュボードがあれば社内で最新の事業情報をリアルタイムで共有できることはもちろん、情報の整理や戦略の検討に役立てられます。

事業ポートフォリオの定期的な見直し

本記事の最初の方で紹介した「継続的な事業ポートフォリオの見直し」と合わせて、定期的なポートフォリオの見直しが最適化には欠かせません。事業分析に利用するフレームワークは、ニーズの変化によって内容も変化するので、見直しのたびに再度実施するのがいいでしょう。

例えば、以前までの連絡手段は固定電話がメインでしたが、時代の流れや技術の発展によってスマートフォンへとニーズが移行していきました。この影響を受け、当時利用されていた固定電話のニーズは激減しています。

このように今まで強みとなっていた事業でも、いつか弱みとなる可能性があるのです。ニーズの変化はゆっくりかつ着実に変化しているため、短いスパンでの検討を実施しましょう。

まとめ


リアルタイムで変化し続ける事業ニーズに対応するため、企業は迅速な事業ポートフォリオの作成が求められています。しかし、著しい技術発展や年功序列が抜け切れていないことなどが関係して事業ポートフォリオマネジメントが浸透していないのが現状です。

何度も訪れる経済危機を乗り越え、競合他社より優れるサービスを作り出すためには事業ポートフォリオの作成が重要です。まだ事業ポートフォリオ作成に着手できていないのであれば、この機会にフレームワークを活用した分析を実施してみてはいかがでしょうか。

中小企業様特化型運用代行サービス

RECENT POST「ビジネス変革ナレッジ」の最新記事

事業ポートフォリオとは?作り方や最適化のポイントを詳しく解説
     
WEB広告は「改善」が命。リードプラスは3つのメソッドで広告成果を最大化します。

最新記事

  1. データドリブン経営とは?基本的な流れから成功事例まで徹底解説

    データドリブン経営とは?基本的な流れから成功事例まで徹底解説

  2. スマートシティとは?実現に必要な技術や国内外の事例について解説

    スマートシティとは?実現に必要な技術や国内外の事例について解説

  3. イントレプレナーとは?育成するメリットから方法までご紹介

    イントレプレナーとは?育成するメリットから方法までご紹介

ページ上部へ戻る