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究極の業務改革。全てを自動化する『ハイパーオートメーション』とは

究極の業務改革。全てを自動化する『ハイパーオートメーション』とは

経済産業省が「2025年の崖」に関するレポートを発表してから4年。
今では多くの企業がDXに向けた取り組みを進めており、AIやRPAなどの活用は、大手企業だけでなく自治体にも広がりを見せ、業務改善の柱となっています。

一方で、昨今では「従来のプロセスを維持したまま効率化を行う」業務改善ではなく、「プロセス自体を抜本的に最適化する」業務改革に注目が集まっています。

そこで、最新テクノロジー「ハイパーオートメーション」の概要や活用事例を通して、業務改革の実現方法について解説していきます。

日本のカイゼン

「カイゼン」という言葉が海を渡ったように、日本企業は現場の声を活かし、業務のプロセスをより良くしていく創意工夫が強みとされてきました。

しかし、昨今ではこの傾向に陰りが見えてきています。
残念ながら日本の労働生産性はOECD加盟国の中で28位であり、韓国を始め、リトアニア、ポーランドらを下回り、米国のおよそ半分程度になっています。

では、そもそも「カイゼン」によって生産性をあげてきたはずの日本が、なぜこうも労働生産性が低くなってしまったのでしょうか。

業務改善と業務改革

冒頭で触れた通り、「業務改善」とは既存の業務プロセスを創意工夫によってより効率化することです。
つまり、改善の主戦場は「現場」であり、改善を生み出す人も「現場の人間」です。
一方で「業務改革」とは、これまでのプロセスの一部、または全てを破壊し、全く新しい業務プロセスを生み出すことです。

あくまでプロセスの中で働く「現場」にプロセス自体を変える権限はなく、大きな投資も発生することから、これらの主役は「経営層」になってきます。
日本は現場主義、現場視点に立った「改善」は得意でしたが、痛みや現場の強い抵抗が予想される「改革」はあまり得意ではないと言われています。

業務改革とテクノロジー

テクノロジーの革新的な進化により、これらを自らの業務に取り込めるかどうかが、生産性に大きく影響を与えるようになりました。

つまり、これまでの「改善」だけでは不十分で、他国や他社との差を埋めるにはテクノロジーを活用した「業務改革」が不可欠になります。

そして、この領域で大きな注目を集めているテクノロジーが、業務プロセスの全てを自動化する「ハイパーオートメーション」です。

ハイパーオートメーションとは

ハイパーオートメーションは、業務プロセスの最初から最後まで、全てを自動化するためのテクノロジーです。
自動化という点でRPAと似ていますが、これが対象とするのは繰り返し行う定型的なタスクのみでした。一方でハイパーオートメーションは、AIやプロセスマイニングといった最新テクノロジーを駆使し、インテリジェンスな判断が必要なタスクを含む業務全体の自動化を目指すという点で明確に異なるものです。
すなわち、ハイパーオートメーションの適用を前提に、業務プロセスを自動化のために最適化された形に組み替えることこそ、現代における究極の業務改革になるというわけです。

そのための具体的な段取りをご紹介します。

デジタル化されていないタスクをなくす

デジタル技術で自動化するということは、そのために必要な全てのデータもまた、デジタル化されていなければなりません。

例えば「封書で届いた請求書をファイルに閉じて紙の帳簿を記入する」というタスクはデジタル化されていないため、何らかの形でデジタルに置き換える必要があります。
帳簿管理アプリを導入するか、最低でも帳簿情報をExcel等のデータにする必要があるでしょう。

アプリケーションを自動的につなぐ

デジタル化した情報やアプリケーションは、この段階ではまだそれぞれの役割ごとにサイロ化されています。従って、自動化を実現するにはこれらをつなぐ必要があります。
それぞれのシステムを拡張しAPIでオートメーションツールや、システム同士の連携を可能にするといった方法が一般的です。

インテリジェンスな判断の機械化

機械的なアプリケーション同士の連携はAPIに置き換えられても、写真の品質や文章の俯瞰的な正しさといった、人間の判断が必要なタスクは単純な機械化ができません。
そこで登場するのがAIです。

人間の判断材料を使って機械学習させ、その判断に応じたAIを構築します。
ハイパーオートメーションツールには基本的にこうしたAIが組み込まれており、これらをしっかり学習し、人間はAIの判断を確認するだけ。こうすることで大きな省力化が図れます。

保守の自動化

せっかく構築した自動化の仕組みも保守しなければやがて陳腐化します。
そこで、「プロセスマイニング」という仕組みを用いて、機械に自ら陳腐化の予兆を発見し、修正、あるいはその提案をさせます。こうした機能を備えたハイパーオートメーションツールを用いることで、保守すらも自動化が可能です。

ここにも一定の学習は必要ですが、それにより基本的なボトルネックの発生検知、改善案の提示についてはAIにやらせることができます。

ハイパーオートメーションの活用事例

それでは、国内外でのハイパーオートメーション活用事例を紹介します。

採用業務

ある企業では、採用担当者が複数の求人サイトを確認し、自社に適合する人材の抽出が行われていました。抽出した人材のプロファイルを評価し、選定された人物へスカウトの実施、応募者対応を実施するというプロセスでした。

このプロセスでボトルネックになっていたのは、自社に適合する人材の抽出と、抽出した人物のプロファイル評価にありました。ここで行われた改善策は以下の3点です。

  1. 求職者データの自動取得
    求人サイトのダウンロード機能を利用し、データをバックエンドに受け渡す簡易なシステムを構築。
  2. AIによるデータ評価
    過去にプロファイル評価を通過したデータで教育した「求人データスコアリングAI」を構築し、①で得られた全てのデータのプロファイル評価を実施。
  3. スカウト担当者への指示
    一定以上のスコアを出した人材を登録済みのスカウト担当者に割り当て、作業の開始が可能であることを通知。

これによりプロセスの大半を自動化することに成功し、同社は2ヶ月で採用専任部門を廃止しています。

銀行の小切手

インドネシアのある銀行では、小切手に書かれたサインの検証に時間がかかりすぎることが課題でした。
入念に時間をかければ顧客の取引を遅延させてしまう恐れがあり、検証を誤れば顧客に不要な手間や損害を与えかねず、いずれにしても顧客体験を大きく損なうリスクあります。

そこで、多くの署名情報を学習したAIに、契約者のサンプルとなる署名を読み込ませ、その契約者の新たな署名を検証できるようにしました。

このとき、机上での署名、不安定な状況での署名、タブレットとタッチペンでの署名といった「同じ人の環境の違いによる差異」も検出可能にしています。

これにより、署名検証にかかる時間、信頼度ともに最小化。各支店の署名検証要員は12名から2名に削減され、かかる時間も70%減を実現しています。

真の業務改革を実現するために

ハイパーオートメーションは、ガートナー社の戦略的テクノロジートップトレンドに2020年以降3年連続で選出され続けており、2020年に4,816億ドルだった市場は、2022年度末で5,966億ドルと、2年で20%を超える成長が予想されています。

参考:ZDNet Japan ハイパーオートメーションソフトウェア市場に関する記事より

しかし、残念ながら日本ではまだこの技術を知る人は多くありません。その最大の理由は、国内企業の取り組みが「業務改善」の枠内にあるためです。
業務改革の実現には、プロセスに係わる全ての関係者が「現状の仕事の進め方や役割をまるごと見直す」覚悟を持たなければなりません。

高いハードルではありますが、ハイパーオートメーションのようなテクノロジーが登場し、それを活用する企業が現れだす中で、徹底的な自動化を実現した海外勢との競争に勝つためにも、いままさに、日本企業の改革に対する「覚悟」が問われているのではないでしょうか。

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